オートハープ
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オートハープ
各言語での名称



分類

31
音域
弦楽器
関連楽器

ツィター, オムニコード, デコラ
製作者

オスカー・シュミット

オートハープは複数のコードバーを持つ弦楽器である。オートハープは、その名前にもかかわらず全くハープではなく、ツィターに属する楽器であり、一般名称は「chord zither(コード化されたツィター)」である。オートハープの特徴は、本体に一連のコードバーがダンパーに取り付けられており、これが押されると目的のコードを形成する弦以外のすべての弦がミュートされて和音を出せることである。オートハープという言葉は、かつてはオスカー・シュミット社の商標であったが、メーカーを問わずに使うことが可能となった。[1][2]
概要オートハープ (中央) by C.F. Zimmermann Co. in 1896?99; (左はマルクソフォン(英語版) 右はデコラ)

オートハープは、アメリカではブルーグラスフォークの楽器として使用されてきた。おそらく、最も有名なのは カーター・ファミリーメイベル・カーター と サラ・カーター(英語版) によって使用されたことである。オートハープはリズム楽器として演奏するのを学ぶのは比較的簡単である。しかし、メロディー楽器として弾くことも可能であり、それは、よりオートハープに打ち込んでいる演奏者に大きな報酬をもたらしている。ニューポートペンシルベニアのマウンテンローレルオートハープギャザリング、ウィラメットバレーオートハープギャザリングとカリフォルニアオートハープギャザリングでは、最近の楽器製作者製の楽器とそれらを用いた演奏がコンテストなどで賞賛されている。

現在のオートハープは36本または37本の弦を有する。しかし、48本もの弦を有する例もいくつかある。それらは全音階(1、2または3キーモデル)か半音階で張られている。オートハープはしばしばリズム楽器として考えられるが、近代的なプレーヤーは明確なメロディーを出す能力に非常に長けている。ダイアトニックプレーヤーは、個々の弦をとても正確にピッキングしている間にダンパーボタンを「ポンピング」するオープンコード(open-chording)テクニックを使用することによって、バイオリン曲を挑戦的な速度まで演奏することができる。

ロックポップス界においては、1960年代にラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャン(英語版)が使用していたことで知られる。
歴史

オートハープの起源に関してはいくつかの議論がある。Charles F.Zimmermannという名前のフィラデルフィアのドイツ移民[3]は、1882年にある楽器の設計の特許.mw-parser-output .citation{word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}US 257808 を取得した。それは、演奏中に特定の弦の音を消すためのメカニズムを含んでいた。彼は発明を「オートハープ」と命名したが[4]、後のオートハープと異なり、その楽器の形状は対称で、垂直に動く弦に対してフェルトを持つコードバーが水平に動いた。 Zimmermannが今までにこの初期設計の楽器を商業的に生産したか否かは知られていない。ドイツ、マルクノイキルヒェンのKarl August Gutterは、今日演奏されているオートハープと最も類似している「Volkszither」と呼んだモデルを作った。 Gutterは1883?1884頃、彼の楽器に対するイギリス特許を取得した。 Zimmermannはドイツへの訪問から戻った後、1885年にGutterデザインの生産を始めたが、彼自身の設計の特許と覚え易い名前でも生産を始めた。Gutterの設計した楽器は非常にポピュラーになったため、Zimmermannは発明者としてしばしば間違われた。
商標

「オートハープ」という名称は1926年に登録商標として登録され[5]、現在、U.S. Music Corporation(英語版)(この会社のOscar Schmidt事業部がオートハープを製造している)によって権利が主張されている。しかしながら、アメリカ特許商標庁の登録では、権利としては「Mark Drawing Code (5) WORDS, LETTERS, AND/OR NUMBERS IN STYLIZED FORM」だけをカバーしている[6]。George Ortheyとの訴訟において、Oscar Schmidtは単語「Autoharp」の様式化されたレタリングの所有権の主張のみが可能で、名称自体は一般名称へ移行した。その結果として、例えば、雑誌「Autoharp Quarterly」は一般的な意味での Autoharp という単語を使用したマークを登録することができる。そして、Orthey製楽器(他の職人製楽器も)は、訴訟前の「Dulciharp」ではなく「autoharp」として売り出すことができる[7]
構造

オートハープの胴体はほとんどが木製で、形は長方形の角の一つが切り取られた台形である。トップは無垢材か集成材のいずれかであり、サウンドホールを備えるものが多数を占める。サウンドホールはアコースティック・ギターのような円形が多く、個人ビルダー製のものには円形以外のものも少なくない。

胴体には複数の木材を積層したフレームが存在し、ピアノツィターに使用されているものに似たチューニング・ピンを打つためのピンブロックがトップに位置している。ピンブロックの反対側には、金属製のヒッチピン、または弦のエンドボールを差込む溝付きの金属アンカーが存在する。

弦の真上には、プラスチック、木、または金属で作られたコードバーがある。コードバーの弦に面した側にはフェルトまたは発泡体のミュート用パッドが取り付けられており、上面にはボタンが取り付けられている。コードバー両端にはスプリングが位置しており、押し下げられた状態から開放された際にコードバー押し戻すようになっている。

ボタンには、コードバーを片手で押し下げられた際に弦をミュートして得られる和音の和音名が記されている。

楽器の背面には、通常、木製、プラスチック製、またはゴム製の3本の「足」が付いている。これは、当初、オートハープが机の上で演奏されていたことの名残でもある。

弦は、コードバーの下を通り、アンカーまたはヒッチピンとチューニングピンとの間でトップと平行に張られる。

現代のオートハープは、ほとんどの場合、36弦であるが、多いものでは47弦や48弦のモデルもある(例えば、Orthey Autoharps No.136でト長調とニ長調にチューニングされている)。

弦は、多くは不完全なクロマチックにチューニングされるが、ダイアトニックまたは完全なクロマチックのスケールに変更されることもある。


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